この記事は、6月から8月まで続けたWikiトリップの6月編です。企画全体の結果と、3か月続けて分かったことは、Wikipediaのリンクを毎日2回たどる「Wikiトリップ」を3か月続けてみたにまとめています。
2026年6月10日、「ビットコイン」の記事から歩き始めました。出発地点に選んだのは、私自身がビットコインを所有しており、関心のあるテーマだったからです。
毎日、Wikipediaの記事内にある気になったリンクを2回だけ押す。目的地は決めません。
21日後の6月30日、着いた場所は「バンジョーとカズーイの大冒険」でした。
ビットコインと、NINTENDO 64のアクションゲーム。
出発地点と到着地点だけを見ると、どうしてこうなったのか分かりません。しかし、その間には42回の移動があり、すべてWikipediaの記事内リンクでつながっています。
これが、最初の「Wikiトリップ」の全記録です。
| 期間 | 出発 → 到着 | 記録 |
|---|---|---|
| 6月10日〜30日 | ビットコイン → バンジョーとカズーイの大冒険 | 43記事・42移動 |
6月の全ルート
1日2クリックを、日ごとに並べると次のようになります。
| 日付 | その日の2クリック |
|---|---|
| 6月10日 | ビットコイン → プルーフ・オブ・ワークシステム → CAPTCHA |
| 6月11日 | CAPTCHA → 認証 → 電子署名 |
| 6月12日 | 電子署名 → 印鑑登録 → 複写機 |
| 6月13日 | 複写機 → 偽札 → 紙幣識別機 |
| 6月14日 | 紙幣識別機 → 偽札 → ユーリオン |
| 6月15日 | ユーリオン → 透かし → 電子透かし |
| 6月16日 | 電子透かし → ステガノグラフィ → 不可視インク |
| 6月17日 | 不可視インク → アメリカ合衆国郵便公社 → ウエスタンユニオン |
| 6月18日 | ウエスタンユニオン → AT&T → 携帯電話 |
| 6月19日 | 携帯電話 → フィーチャーフォン → ノキア |
| 6月20日 | ノキア → 702NKⅡ → 着せ替え携帯 |
| 6月21日 | 着せ替え携帯 → ソニーモバイルコミュニケーションズ → サイバーショット |
| 6月22日 | サイバーショット → Exmor → CMOSイメージセンサ |
| 6月23日 | CMOSイメージセンサ → フォトダイオード → pn接合 |
| 6月24日 | pn接合 → 半導体 → マイケル・ファラデー |
| 6月25日 | マイケル・ファラデー → 電磁気学 → マクスウェルの方程式 |
| 6月26日 | マクスウェルの方程式 → 偏微分方程式 → 機械学習 |
| 6月27日 | 機械学習 → データマイニング → インターネット |
| 6月28日 | インターネット → ゲーム機 → 任天堂 |
| 6月29日 | 任天堂 → NINTENDO 64 → ボンバーマン64 |
| 6月30日 | ボンバーマン64 → アクションゲーム → バンジョーとカズーイの大冒険 |
大きく分けると、次のような旅でした。
ビットコイン → 認証 → 偽札 → 情報を隠す技術 → 通信 → 携帯電話 → カメラ → 半導体 → 電磁気学 → 機械学習 → インターネット → ゲーム
ビットコインから、偽札と「隠す技術」へ
出発は、現在も所有しているビットコインでした。
最初の2クリックは「プルーフ・オブ・ワークシステム」と「CAPTCHA」。そこから認証、電子署名、印鑑登録へ進みました。
デジタルな認証から、現実の印鑑へ。さらに複写機、偽札、紙幣識別機へと移動します。
ここで面白いのは、一度通った「偽札」に翌日もう一度戻っていることです。
Wikiトリップは最短経路を探すものではありません。進んだり、戻ったりもします。この小さな往復が、予定された読み物にはない生々しい履歴になりました。
偽札から先は、ユーリオン、透かし、電子透かし、ステガノグラフィ、不可視インクへ。お金の話から、「見せない」「埋め込む」「見分ける」ための技術へ広がっていきました。
郵便から、携帯電話とカメラへ
不可視インクからアメリカ合衆国郵便公社へ移ると、旅は通信の歴史へ入ります。
ウエスタンユニオン、AT&T、携帯電話、フィーチャーフォン、ノキア。情報を隠す話から、情報を遠くへ届ける話へ変わりました。
そこで現れたのが「702NKⅡ」です。私もかつて、このノキア製携帯電話を所有していました。
さらに、その次に出てきたソニーの着せ替え携帯も所有していました。無数にある携帯電話関連の記事の中で、自分が使っていたものを続けて選んでいます。
偶然歩いているようで、選ぶリンクには過去の所有物や記憶がはっきり表れていました。
その後は着せ替え携帯、ソニーモバイルコミュニケーションズ、サイバーショット、Exmorへ。携帯電話からカメラへ移り、さらにCMOSイメージセンサ、フォトダイオード、pn接合、半導体と機器の中身へ潜っていきました。
半導体から電磁気学、そしてAIへ
フォトダイオード、pn接合、半導体、マイケル・ファラデー、電磁気学、マクスウェルの方程式、偏微分方程式、機械学習。これらはどれも、電気情報工学科の授業で聞いたことのある言葉です。
理解できていたとは言っていません。ただ、見覚えのある言葉が並ぶと、つい次のリンクを押したくなります。
携帯電話やカメラという身近な製品から、気づけば電気情報工学科の授業で扱うような世界へ入り、その先で機械学習に着きました。
偏微分方程式から機械学習、データマイニング、インターネットへ。ここまで来ると、最初のビットコインにも少し近づいたように見えます。
出発地点へ戻ることはありませんでしたが、技術への関心は何度も形を変えて現れました。
最後の3日で、ゲームの世界へ
6月28日、インターネットから「ゲーム機」、そして「任天堂」へ進みました。
残り2日は、任天堂からNINTENDO 64、ボンバーマン64、アクションゲームへ。
最後のクリックで到着したのが、「バンジョーとカズーイの大冒険」です。
私はNINTENDO 64を所有し、「ボンバーマン64」も「バンジョーとカズーイの大冒険」も実際に持っていて、遊んでいました。
ビットコインから始まった旅が、21日後には自分が遊んだゲームへ戻ってきました。
最初からゲームを目指していたわけではありません。一つひとつ、その日に気になったリンクを選んだ結果です。
ルートは、自分の所有歴と記憶をたどっていた
6月のルートを後から眺めると、いくつかの関心が繰り返し現れています。
- 現在所有しているビットコイン
- 過去に所有していたノキアとソニーの携帯電話
- 電気情報工学科の授業で聞いた技術や数式
- 所有して遊んだNINTENDO 64のゲーム
Wikipediaには、ほかにも無数のリンクがあります。その中から何を選ぶかは自分次第です。
だから履歴には、Wikipediaの構造だけでなく、自分が何を持ち、何を学び、何で遊んできたかまで残ります。
最初のWikiトリップで分かったのは、どこへ着くか分からない面白さと、どこへ行っても自分の興味がついてくる面白さでした。
翌日の7月1日には、ルートをリセットします。
次の出発地点は「ダフト・パンク」です。
音楽から始まった旅は、1か月後、「世界ラリー選手権」に到着します。

